番号11021-46
画題清国(しんこく)の困苦民兵(こんくミんへい)
揃い物日本萬歳百撰百笑(ひやくせんひやくせう)
揃い物の解説50枚
判型大判
絵師小林清親
落款清親
清親
年号明治28年
板行年月1895年8月
板元松本平吉
詞書き清国(しんこく)の困苦民兵(こんくミんへい)  骨皮道人
海軍(かいぐん)も陸軍(りくぐん)も目茶目茶(めちやめちや)に負(まけ)て負(まけ)て大負ニ負/続(つづ)ける清国(しんこく)ハ、忽(たちま)ち兵士(へいし)に不足(ふそく)を生(しやう)じて来(き)た/ から止(やむ)を得(え)ず国民兵(こくみんへい)の募集(ぼしふ)に着手(ちやくしゆ)した所、/ 早速(さつそく)ウヨウヨと出て来たのハ宣(いい)が、満足(まんぞく)な奴は/ 皆な其前(そのぜん)に出佛(ではら)つて、今は其(その)残(のこ)り者升(ばか)り、/ 殊(こと)に難(なん)でも銀(かん)でも出さへすれバ、幾許(いくら)かづつ/ の銭(ぜに)が貰(もら)へると云ふ目的(もくてき)で、ほんの日当(につとう)が欲(ほし)/ さにでて来た事ゆへ頭数(あたまかず)ハ多いが一人として/ 満足(まんぞく)な者ハない、何(どう)か斯(か)うか人間らしいと思(おも)/ へバ七八十歳(さい)の  耄碌爺(もうろくおやじ)、此奴(こやつ)ハ年齢(とし)が若(わか)いか/ら、少(すこ)しハ役(やく)に立(たち)さうだと思(おも)えバ、盲目(めくら)やら珍(ちん)/跛(ば)やら聾(つんぼ)やら唖(おし)やら、又ハ躄(いざり)癩病坊(かつたいぼう)木偶(でく)/の坊(ぼう)など、揃(そろ)ひも揃(そろ)つた廃人(かたわもの)ばかりだから、流石(さすが)/ の士官も当惑(とうわく)して居るに、出て来た奴等(やつら)ハ平(へい)/気(き)の皮(かわ)で盲目「按摩(あんま)ァ上下(うえした)三百文 - 躄「旦(だん)/那様(なさま)や御新造様(ごしんぞさま)、足腰(あしこし)の立(たた)ない躄(いざり)にハどうぞ/ や一文 - と云ふ有様(ありさま)なれバ、士官(しかん)ハ益々(ますます)持(もて)/餘(あま)したと見へ士官「コラコラどうぞや一文(もん)チウのハ何の事 / ぢや、其様(そのよふ)な事を云ふと乞食(こじき)廻(まわ)すぞ
描写剣を持って大きな口を開けた清国兵の前に、腰の曲がった年寄りが鉄砲を持って杖をついて立っている、その横には、数人の年老いた男達が並んでいる。後方には、剣を振り上げた兵士と、躄を先頭に行進する鉄砲をかついだ男達が描かれている。
解説この揃い物の画題「百撰百笑」は「百戦百勝」の語呂合わせである。清親は、日清戦争プロパガンダ戯画の本シリーズで、敵国清国人を徹底的に卑下して描く。本図は戦争終結4か月後に発行されていることから、この時期まだ日本国内は戦勝気分に湧きかえっていたことがよくわかる。ここでは、敗戦清国の国民兵はすべて「耄碌爺」か「廃人」の「乞食」あるとし、如何に最低であるか嘲笑している。画題の「困苦民兵」は「国民兵」の、詞書きの「乞食廻す」は「こづきまわす」の語呂合わせである。
所蔵国立歴史民族博物館
画像提供個人
絵種戯画, 日清戦争絵, 風刺画
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